マンション建て替え円滑化法の意義

読売新聞 YOMIURI HOME GUIDEの「ニュース」の2002/08/13付記事「マンション建て替え円滑化法 合意後の手続き楽に」で、6月の国会で成立した「マンション建て替え円滑化法」の意義がQ&A形式で紹介されています。「建て替え組合」の設立によって、建て替え決議後の手続きが迅速に行えるようになることや、秋の臨時国会に提出される予定の区分所有法改正案で、あいまいだった建て替え要件が「築30年以上」と明記されることで、合意形成がスムーズに行えるようになることが説明されています。ただし、全国マンション管理組合連合会会長の穐山(あきやま)精吾氏によると、老朽化の年月を30年で区切ると、築30年以上のマンションの資産価値の低下や、デベロッパーが新築物件の質を落とす懸念もあるとのこと。いずれにしても、等価交換方式による建て替えが不可能になった現在、建て替えは住人に多額の費用負担を強いることになり、いくら法整備をしてもなかなか合意形成を行うのは難しそうです。30年間に渡る長期修繕計画の作成が推奨されているように、建て替えについてもそれくらいの長期的な視野に立って綿密な資金計画の下に進めていく必要があるように思います。実際に建て替えを行うかどうかは別にして、何年後あるいは何十年後に仮に建て替えを行った場合に費用負担がどうなるのかの試算を行い、それを長期修繕計画と照らし合わせることによって、築何十年後に建て替えを想定すべきなのか、早いうちから住人同士で話し合っておく必要があるのかもしれません。