“声なき声”を読み取れ

日経BP「Small Biz」の近藤 昇氏のコラム「こうして起こせ、社内情報革命」の「第32回 「サイレント・マジョリティの声」を吸収する社内体制の確立を」で、びしょびしょの漬物を客に出してクレームを受けた和食チェーン店の店員の対応を例に、企業がお客様のニーズやクレームを的確に把握し、業務改善につなげていくには、“声なき声”を読み取ることが重要であると紹介されています。アンケート用ハガキにわざわざ答えてくれるお客様は少数派。何も発言してこない大多数の顧客層の“声なき声”を読み取る社内体制を確立するには、単なる情報システムを構築するだけでなく、人事制度や社内コミュニケーションのあり方まで含めた総合的な施策が必要とのこと。この記事の「企業」を「マンション管理組合」に、「お客様」を「マンション住民」に置き換えて読んでみると、ちょっと教訓的です。意見箱を設置したり、アンケートを実施したり、住人の声を吸い上げるには、そういった施策ももちろん大事ですが、普段から“声なき声”に耳を傾けることを意識しているかどうかで、管理組合の活性度がだいぶ違ってきます。ちょっとした機会に住人の方や管理人さんと交わした会話や、マンション内の奥様ネットワークから聞こえてくる話。むしろ、そういった日頃のコミュニケーションの中に、業務改善のためのヒントがたくさん含まれているのです。