築30年超マンションが抱える機能的な老朽化の問題

日経新聞2002/09/24付け夕刊の社会面の記事「プリズム現代第5集 高齢マンション再生(3)」で、エレベーターのない5階建て住宅や、防水パンのない公団分譲マンション等、築30年超マンションが抱える機能的な老朽化の問題が取り上げられています。当時はそれが普通だった訳ですが、30年の歳月の中で生活の変化に建物の機能が追いつかず、築30年超マンションでは50平方メートル未満の住戸が35%、空き家率が11%という調査結果(国交省)もあるそうです。たしかに30年後の生活までも見込んだマンションなど、作れるはずもありません。最近は「100年マンション」を謳う超寿命設計のマンションも出現していますが、建物の耐久性はもちろん、ライフスタイルや時代の変化に合わせて、機能的な向上をどのように図っていくかが課題になりそうです。単に新築時の状態にもどすだけの大規模修繕では不十分。今後は例えばバリアフリーやブロードバンド対応といった機能面での向上をいかに実現していくかが、重要なファクターになるでしょう。このように時代の流れを読み取り、社会の変化に合わせてマンションの機能向上を図っていくのも、管理組合の役割です。けっして人まかせにせず、自分たちで責任を持ち、どの針路に進むべきか、しっかりと舵取りをしていくことが大事だと思います。