管理会社リプレースの成功例と失敗例

昨日(9/28)、高田馬場で行われた「東京マンション管理実務の集い」の実務勉強会に参加してきました。出席者は14名で、主なテーマはN氏による諸外国のマンション管理制度の紹介と、K氏による管理会社リプレースの成功例と失敗例の報告でした。諸外国の制度では、日本とアメリカは区分所有者から構成される管理組合が最高意思決定機関となり、理事会が業務を遂行する形であるのに対して、ドイツ、フランス、韓国等は専門的知識を持ち実務にも長けた職業管理者が管理者として選任され、業務を遂行する制度のようです。中小規模のマンションが多い日本と異なり、韓国では300戸以上の大規模マンションが全体の8割を占めるようで、これらの大規模マンションでは「共同住宅管理士」の国家資格を持つ管理者を置くことが義務付けられているそうです。日本の場合は管理業務の委託者である管理組合があまり機能せず、受託者である管理会社をしっかりとコントロールできていないことに根本的な問題があると考えます。私たちマンション管理士はそのような管理組合に対して助言・指導する役割を持って誕生しましたが、しかし現状では、マンション管理士を認知しているのはマンション管理士の助言・指導をあまり必要としない自立した管理組合であり、逆にマンション管理士の助言・指導を本当に必要とする管理組合はマンション管理士の存在すら知らないというパラドックスになってしまっているように思います。マンションのスラム化を深刻な社会問題と考えるのであれば、有志のボランティアの活動にばかり期待するのではなく、せっかく誕生した熱意あるマンション管理士をもっと有効活用するための方策を、ぜひ2年後のマンション適正化法の見直しに入れていただくことを願います。